【代表加藤】酒井法子さんと英語脳のお話

こんにちは、英会話ビギンの加藤です。
先月は、酒井法子容疑者の事件が世の中を騒がせましたね。
英会話のレッスンでも、その話題になったのではないでしょうか。

私も例外なく、英語で生徒さんとその話をしました。

「酒井容疑者の夫がはじめに逮捕されたとき、
 酒井容疑者が姿を消した。
 そのときは、酒井容疑者は夫の逮捕にショックを受けて
 姿をくらましてしまったのかと思った。
 皆、はじめは酒井容疑者に同情していたと思う。」

・・・さて、このセリフ、英語で言うとしたら
どうやって言いますか?

このお話をしていた生徒さんは、
実は、「同情する」という単語をご存じなかったのです。

ちょっと考えたあと、こうやっておっしゃいました。

「At first, everyone thought that she was a sad and unhappy woman.」

私は、この素早い切り替えに感心してしまいました。
そして、この生徒さんは、ほぼ英語脳が出来上がっていると感じました。

「同情する」という単語は「sympathize」ですが、
この単語を知っているかどうかよりも、
別の単語を使ってでも、いかに伝えたいことを伝えきるか、のほうが
実際のコミュニュケーションでは大事です。

英語を学び始めてすぐのころは、
どうしても「日本語」に固執してしまって、
それを完璧に訳さないと気が済まない、
という症状に陥りがちです。

でも、しばらく英語を学び続けていると、
日本語と英語では、必ずしも同じ単語が1対になって存在しない、
ということに気付いてきます。

たとえば、「もったいない」は日本独特の精神ということで
いまや世界に通用する単語(MOTTAINAI)になっていますが、
それを英語に置き換えることって難しいですよね。
同じように、「切ない」とか「侘び寂び」とかって
日本人独特の感情なのです。

和英辞典で「切ない」とひいても、
「悲しい=sad」になってしまいます。
「悲しい」と「切ない」はちょっと違う気持ちだよな・・・と感じますが、
でも、ここで「切ない」という単語にこだわって前に進めないよりは、
「切ない気持ちって、じゃあ、どういう感情なんだろう?」とすぐに置き換えて
別の単語を使って表現してみます。

自分が切ない場合=
I feel a little sad. I feel a little bit lonely.とか、

どなたかに対して切ない場合=
I feel sorry for her. I sympathize with her.とか

いろいろとつなぎあわせて、「切ない」という気持ちを表現するほうが
会話のうえでは大事なのです。

そして、
「ちょっと曖昧だけどなんとか言いたいことのニュアンスは伝えられた」
という曖昧さを「心地よい」と思えるようになると
もどかしさは一気に吹っ飛びます。
ここから、英語の伸びがはじまります。

私はよく生徒さんにお伝えするのですが、
まさに「完璧主義は英語学習の敵」なんです。

学校の英語教育でテストとして、つまり正解・不正解がある中で
英語を学習してきた私たちが
この「曖昧さ」に慣れることは難しいことですが、
それが英語学習の大きな大きな一歩になることは間違いありません。