go outやlikeの使い方に注意! 相手に勘違いさせない英語での言い方

こんにちは、英会話ビギンです。
英語はコミュニケーションの手段であり、コミュニケーションは相手があって成立するもの。
その相手には、育ってきた国と文化があります。

特に、アメリカやヨーロッパの国々と、日本を含めたアジアの国々では、言葉の流れとしてある「文脈」のとり方が異なり、その違いをハイ・コンテクストとロー・コンテクストということがあります。

会話の流れのとり方の違いにより、文法は合っていても、スピーカーの意図と違う意味で伝わる、ということが起こるのです。
ここでは、go outとlike を例にその詳細を明らかにしていきます。
また、会話をするのに必要不可欠な文化についても、ハイ・コンテクストとロー・コンテクストという観点から日米の文化比較をしてみます。

1.相手が勘違いする英語表現 go outの使い方に注意!

英語ネイティブと会話していて、話が通じていないと感じることは誰しも経験があると思います。
それは、発音や文法のせいだと自己嫌悪におちいる場合もあるかもしれません。

その原因は発音や文法ではなく、表現そのものだったというパターンをいくつも目にしてきました。
それらは、文法としては間違っていないので、言っている本人は何で通じないのか理解に苦しむようです。

カナダのバンクーバーで語学学校に通っていたときのことです。
美人のAちゃんが「なぜか分からないけど、クラスメートと付き合うことになってしまった」と私に相談してきました。
はじめは、日本でもそういうケースは耳にするので、なんとなく始まった恋だと思っていたのですが、話を聞き進めるうちに腑に落ちない印象を受け、いきさつを詳しく聞いてみました。
Aちゃんはそのクラスメートにこう言ったのだそうです。

“Do you wanna go out with me?”

直訳すると「私と出かけたい?」です。
Aちゃんは新しく入って来た男の子がまだ友達ができず1人でいたので、心配して一緒にどこかに行くか尋ねたんだそうです。
すると、付き合うことになったと。ここまで聞いて、謎がとけました。

“ go out ”は「でかける」という意味の他に「付き合う」という意味もあるんです。
この男の子はAちゃんが告白してきたと捉えたんですね!
Aちゃんもびっくりしていましたが、男の子も急に告白され驚いたことでしょうね。

このような誤解をまねかないために、特に熟語は注意して意味を理解し、使用場面にも十分に気をつけたいものです。
ちなみに、後日ネイティブにきいたところ、“ go out ”が「付き合う」という意味になるには、ノンバーバルな言い方や表情、雰囲気などが大きく関係するとのことでした。

2. 気をつけたい“like”の使用法

タイトルをみてピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちがよく使う“like”には動詞と形容詞があります。
動詞は「好き」で、形容詞だと「~のような」です。

私が友人Tちゃんとニューヨークに旅行し、私のアメリカ人の友達ジェニファーと英語で話していたときのことです。
Tちゃんは特に英語が得意というわけではなかったのですが、英語でコミュニケーションをとろうと頑張っていました。
ジェニファーがTちゃんは変わっているということを言うと、Tちゃんは“Everybody like me”と自信満々に言いはなちました。
それを聞いた私もびっくりしましたが、ジェニファーは私以上に驚いた顔をして“Oh, everybody likes you! I like you, too!!”と返しました。

私はその瞬間にすべてを理解しました。
Tちゃんは「みんな私みたいだ」つまり「自分は普通だよ」と言いたかったのでしょう。
その場合、“Everybody is like me”なら意味がつうじたでしょうが、“Everybody like me”だと「みんな私がすき」になってしまいます。
三人称単数のsが抜けていますが、友人同士の会話ではそれくらいはご愛敬の範囲です。

すぐに私はTちゃんとジェニファーに事の詳細を説明し、Tちゃんは大爆笑していました。
複数の意味がある語の使用では、言う前に頭の中でよく考えてからの方がいいかもしれませんね。
とはいえ、言語は使ってこそです。
間違いをおそれずに、どんどん使うことで上達します。

3. 会話と日米の文化比較

一般的に、アメリカ人ははっきりものを言うとか、日本人のような細かいニュアンスや人間関係を考慮して発言しないというイメージをもたれています。
これはハイ・コンテクストとロー・コンテクスト文化と深い関係があります。
コンテクストとは「文脈」です。

文脈とは、ある文の前後の文がつくりだす意味やニュアンスです。
アメリカやヨーロッパの国はロー・コンテクスト文化に属し、日本、韓国、中国などのアジアの国はハイ・コンテクスト文化に属しています。
ハイ・コンテクスト文化では、言語以外にも会話の参加者の社会的立場や年齢などもコンテクストとみなされ、それらの制約を受けて、スピーカーは期待されている言葉を言います。
「KY」という言葉があるように、「空気を読んで」発言する暗黙のルールがハイ・コンテクスト文化では求められます。
この文化において、最も重視されているのは集団の調和だといわれています。

ロー・コンテクスト文化では、それらの制限はあまりなく、集団より個人が尊重されていることもあり、スピーカーはみんなと違う意見でも平然と言うこともそれほど珍しくありません。
文脈に対する依存度が低いので、ロー・コンテクストと呼ばれています。

このように、文化的背景が大きく異なるため、英語圏の人は日本人よりはっきりものを言う特徴があると考えられています。
また、ロー・コンテクストの国では、自分がどう思うかを遠慮せずに伝えたほうが、頭のいい人として高く評価されるようです。

4. 文化的背景をふまえ、複数の意味がある語は誤解のない使用を

“go out”や“like”のように、意味が1つでない語彙を使う場合には、その状況に合った言い方か再確認した方が確実です。
ふだんから、自分が使う語彙の意味をチェックし、そのなかでも使う可能性のある意味の用例も一緒に頭に入れておくと、いざ話すときに頭の引き出しを開ければいいだけなので、スムーズ話せてお勧めです。
一度、試してみてくださいね。