花のツツジとサツキの違いは?英語では何て言うの?

目次

本題に入る前に、「花」を表すbloom, blossom, flowerについて。

bloom は名詞で「花、開花、花盛り」、動詞では「花が咲く」と言う意味があります。
Bloomは、ギリシャ神話に登場するブルームという名前の美の女神の一人です。
bloomは、「観賞用に適した花」のことを指します。

Roses are in full bloom now.
「今、バラが花盛りです。」

Various flowers bloom from season to season.
「様々な花が四季折々咲き乱れます。」

 

blossomもbloom同様に、名詞で「花」、動詞で「咲く、開花する」と言う意味があります。
それだけでなく、「活発になる、発展する」という意味もあります。
blossomは「木に咲く花」を指します。
たとえば、cherry blossoms「桜の花」やapple blossoms「リンゴの花」のように使います。

 

flowerは、広い意味で「花」を意味しますが、特に草木に咲く花のことを言うことが多いです。
今回は、このflowerについてお話ししたいと思います。

 

4月に咲いている「ツツジ」は、azalea(アゼイリア)と言います。
そして、「サツキ」もazaleaです。
どちらもツツジ科なので、同じ言い方をするのでしょう。
「サツキ」の方は旧暦の5月に咲くことからこの和名になったようです。
日本語では別名をつけているけれど、
英語では同じというところが、日本人の繊細さを物語っているような気がします。

 

美人の姿を形容する言葉で、
「立てば芍薬(しゃくやく)
座れば牡丹(ぼたん)
歩く姿は百合(ゆり)の花」というのがあります。
この花を英語にしてみます。

 

芍薬(シャクヤク): peony(ピアニー)

牡丹(ボタン): peony(ピアニー)

百合(ユリ) lily:(リリー)

 

ここでもまた、芍薬(シャクヤク)と牡丹(ボタン)は同じくpeony(ピアニー)と言います。
芍薬(シャクヤク)もボタン科なのです。
どちらの花も豪華であでやかな美しい花です。
芍薬はすらりと伸びた茎の先端に華麗な花を咲かせます。
また牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつけます。
百合は風を受けて揺れるさまが美しいですね。
芍薬はまるで美しい女性が立っている姿のよう、
牡丹は美しい女性が座っているよう、
百合は美しい女性が歩く姿のようです。

この二つの花も、前述の「ツツジ」「サツキ」と同様、英語では同じ言い方をします。
日本人は、似たような花でもあえて分けて表現するのに対して、英語では同じ単語なのです。
このあたりに、日本人の奥深さを感じることができます。
万葉集や俳句などにもその繊細さを見ることができますね。