dietは「ダイエット」?「国会」?どうして同じ単語なの?

dietは「ダイエット?」「国会?」

ダイエットdietと言えば、
「ダイエットする」「食事制限をする」という意味をすぐに思い浮かべると思います。もちろん、その意味もあります。

「私はダイエット中です」はI’m on a diet. と言います。

on a diet「オンナダイエット」だけど、男性にも使えます(笑)。
親父ギャグのようですみません。
ここでのdietは名詞です。

ところが、the Dietとtheを付けて大文字で書くと、「国会」という意味になります。
「国会議員」は member of the Diet です。

でもなぜ同じ単語が使われているのでしょうか?

「ダイエット=diet」はラテン語のdiatiaから

「食事制限をする」の方のdietは、「自分の生活様式」という意味の古代ギリシャ語diatiaを語源としています。
それがラテン語のdiaetaとなり、古代フランス語のdieteと変化して、中期英語に取り入れられて、現在のdietとなったということです。

dietには、実はこの意味の他に、次のような意味があります。
「食べ物」、「食事」、「日常の飲食物」という意味です。

diet in Asia は、「アジア料理」という意味になります。
diet for good healthは、「健康によい食べ物」という意味です。

本来は、「やせる」という意味ではなかった、と考えた方が良さそうです。
昔と違って、現代人は太り気味の人が増えてしまった結果、diet food「ダイエット食品」がもてはやされて、今のような意味が定着したのでしょうか。
本来は「自分の生活様式」だった単語が「食事療法」への変化はおもしろいですね。

「国会=the Diet」はラテン語のdietaから

では、「国会」を意味するDietは、国の立法機関を示す言葉ですが、これは古代ラテン語で、「日々の仕事、日当」などを意味するdietaから直接中期英語にとりいれられて、現在のdietとなっている様です。
ラテン語では、「日記」という意味がありましたが、英語に取り入れられたときに、「会合の決まった日」という意味になったとのことです。
「会合の決まった日」だと、「国会」に近づいてきます。

ここに出てきた古代ギリシャ語やラテン語由来の単語はたくさんあります。
様々な変遷を経て言葉は変化しているのですね。
同じ綴りでも、意味が全く違うときは、語源が違う単語のことがよくあります。

ところで、ダイエットするときは、食事制限だけではよくありません。
適度な運動も必要です。
健康的にダイエットすることは良いことですね。