風呂好きの私はスーパー銭湯に行くのが楽しみの一つ。最近は急増している外国人観光客を意識して、英語の表示が増えています。スーパー銭湯も例外でありません。
でも、そういった表示をよーく見ると、意外と間違いが少なくないのです。先日、近所のスーパー銭湯に行った時のこと。脱衣場で下のような表示を見ました。
「Don’t use a mobile phone and smart phone.」
フムフム、お風呂ですから、盗撮などのトラブルを防ぐための表示なんですね。しかし、この標識、どういう意味なんでしょう?普通に考えれば、“携帯電話もスマートフォンも使ってはいけない”ですよね?
ところが、違うのです。
“and”が否定文に入ると部分否定になる
厳密に言うと上の英文の意味は、“携帯電話とスマートフォンのどちらかなら使って良い”、つまり、“部分否定”ということになってしまうのです。
もう少しわかりやすく言うと、”a mobile phone and a smartphone” を使うな、どちらか一方なら良い、という変な意味になってしまうわけです。数学のように、andのフレーズを括弧でかこって考えると分かりやすいかもしれませんね。
“Don’t use (a mobile phone and a smartphone.)
これはbothが入っても同じ意味です。
“Don’t use both a mobile phone and a smartphone.”
bothを括弧のように考えると分かりやすいかもしれません。
(both) A and B は肯定だと「両方とも」と言う意味になる
さらに重要なのは
(both) A and B は肯定だと「両方とも」と言う意味になる、ということなのです。
You can use (both) a mobile phone and a smartphone.
↓
携帯電話とスマートフォンのどちらも使える。
では、全否定、つまり上の例でいうと、携帯もスマートフォンもどちらも使うな、と言いたい時はどうしたらよいのでしょうか?
答え: or を使います。
上の表示は “Don’t use a mobile phone or smartphone.” とすればどちらも使うな、ということになります。これはeither を入れても同じです。
“Don’t use either a mobile phone or a smartphone.”
~も~も…だ、と言うとき、日本語では否定肯定ともに同じ形を使うので、このandとorの使い分けは感覚的に難しい部分がありますね。
「~も~もない」を英語で?まとめとクイズ
(1) (both) A and B → 肯定文では「~も~も両方とも」という意味になるが、否定だと「両方ともは~ない」、という部分否定になる。
(2) 否定文で「AもBも…ない」、という全否定の意味の文にしたい場合は、(either)A or Bを否定文で使う。
練習問題
それでは、下記の日本文を英語にして、理解の確認をしましょう。
1.私は弟も妹もいない。
2.私には弟も妹も両方がいる。
3.お正月は実家に帰るか温泉に行くかどちらかにするだろう。
4.コーヒーも紅茶もすきではない。
5.私は外国旅行をする時間もお金もない。
答え
1. I don’t have either sisters or brothers.
2. I have both a sister and a brother.
3. I will go to either my hometown or hot springs for my New Year’s vacation.
4. I don’t like coffee or tea.
5. I don’t have time or money to travel abroad.