【tollの3つの意味】「ETC」はElectronic Toll Collection Systemの略

【tollの3つの意味】「ETC」はElectronic Toll Collection Systemの略

有料道路や橋などに支払う通行料金は、「toll」です。発音記号は【tóul】(トウル)です。tall【tɔːl】「背が高い」ではありません。発音の違いにも注意してください。スペリングは似ていますが、まったく別の単語です。

tollには、通行料金という意味以外にも使われる用法があります。このコラムでは、tollの3つの意味について解説します。

toll = 名詞「通行料金」「料金」という意味での使い方

・I paid a toll to use that highway.
「私はその幹線道路を使うために通行料金を支払いました。」

「highway」は、「幹線道路」「主要道路」という意味です。
日本の「高速道路」に当たる単語は、「expressway」です。

・We have to use Kanto Toll Road to go there.
「そこへ行くためには、私たちは関東有料道路を使わなければならない。」

「料金徴収所」は「tollgate」

・Hand your toll pass ticket to the staff and pay the toll with cash or a credit card at the exit tollgate.
「出口の料金徴収所で、通行券をスタッフに渡して、現金かクレジットカードで料金を支払ってください。」

「ETC」は、何の略?

答えは、「Electronic Toll Collection System」「ノンストップ自動料金支払いシステム、道路通行料金自動徴収システム」のことです。

・ETC is an automatic system that allows you to pay the toll without stopping the car.
「ETCは、車を止めずに料金を支払うことを可能にするシステムです。」

今では、ほとんどの車がこのシステムを使ってtollgateを通過していますね。

「無料通話番号」は「toll free numbers」で、販促、通販、緊急用に使われる番号です。
「市外通話」は「toll call」です。

「toll bar」の意味は?

これは、有料道路の料金所で支払いが済むまで自動車が進めないようにするために設置されている「遮断棒」のことです。

・A toll bar is used as a barrier which is lifted to allow passage only after a toll has been paid.
「遮断棒は、 料金が支払われた後のみに、通過を許すために上げられる障害物として使われます。」

有料道路の料金所以外では、有料の橋や駐車場の出口などでも使われていますね。

toll = 名詞「(災害や事故の)犠牲者、損害」という意味での使い方

・We had a countless toll.
「数えきれないほどの犠牲者がいました。」

・They got a terrorism’s toll.
「彼らにはテロによる犠牲者が出ました。」

「death toll」は「(事故・災害・戦争などの)死亡者数」という意味

例えば、以下のように使います。

・The death toll from the earthquake rose to 1,000.
「その地震の死亡者数は1,000人に上りました」

・Worldwide death toll climbed to 20,000.
「世界の死者数は20,000人に上りました。」
*「数が~に上る」は「rise」や「climb」を使います。

・COVID-19 took a heavy toll of lives.
「新型コロナウィルスは多くの人命を奪いました。」
*COVID-19は、「Coronavirus Disease 2019」の略です。

toll = 動詞「知らせる」という意味

「toll」は、動詞で「(鐘を鳴らして)知らせる」という意味もあります。

・They toll the bell at his death.
「彼らは彼の死に際して鐘を鳴らして知らせます。」

教会の鐘を鳴らして人の死を知らせるというのは、日本ではあまりなじみがありませんが、誰かが亡くなった時、お葬式や土葬をするときに、とてもゆっくりと鐘を鳴らすそうです。この鐘の音を聞いた人は、「誰かが亡くなったのだ」と思うのだそうです。

・Church bells tolled and black flags fluttered.
「教会の鐘が鳴って、黒い旗がぱたぱたとはためきました。」

宗派によっては、死者への追悼をこのように行うということです。一つの単語から、他の国の文化に触れることもできるのは楽しいですね。

このようなことから、「toll」には「犠牲者」という意味がある、ということもうなずけますね。「toll」という単語の「通行料金」という意味から「犠牲者」という意味への広がりを感じていただけたでしょうか。

英英辞書で調べる「toll」の原義

このように、一つの単語が一見まったく違う意味へと広がっていくことがよくあります。でも、そこには単語のcore meaning(中核的意味、核心的意味)があり、そこをよく理解することで、その単語と仲良くすることができるのです。それを知るためには、英英辞典を参考にすることをお勧めします。

参考までに、今回の「toll」の原義(original meaning)は、以下の通りです。(ロングマン英英辞典参照)

・the number of people killed or injured by something.
(何かしらにより、殺害されたりけがを負ったりした人々の数)

・take its toll: to have a bad effect on someone or something over a long period of time.
(長期間にわたり人や物事に悪い影響をもたらすこと)

・money you pay to use a road, bridge etc.
(道路や橋、その他のものを使用するために支払う料金)

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