TOEICスコアを伸ばすための3つの力とは?

TOEICスコアを伸ばすための3つの力とは?

ビギンの生徒様の中にも、英語力を示す基準の一つであるTOEICに挑戦している人がたくさんいます。
合否を決めるのではなく、点数で実力を表すテストなので誰にでも受けやすい上、コミュニケーション能力を測るテストとして、非常に実用的かつ思想的に偏りのない題材が使われています。

さて今回は、単語や文法の勉強を重ね、ある程度の点数までは伸びてきたけれど、伸びが停滞してしまい、ここから先どのような勉強をしたら良いのか分からない、という方に、TOEICスコアアップに必要となる3つの力についてお伝えしたいと思います。
TOEICスコアという表面上の攻略に留まらず、実際のビジネスの場面でのコミュニケーション能力に繋がるものです。

簡単に言うと、いかに速く情報を読み取る(聞き取る)か・・・情報処理の力です。
これはリスニング、リーディング両方に共通します。
リスニングだから音を正確に聞き取る、リーディングだから一字一句正確に理解して読解する、というのではなく、どちらも情報処理が肝心なのです。

実際のビジネスコミュニケーションの場で必要なのは、情報処理ですよね。
このことを知っているだけでも、次回TOEICを受ける時の姿勢が変わり、効果があると思います。
では、その3つの力について説明していきます。

(1)状況判断、内容予測

どんなコミュニケーションでも、状況あっての上で成立するものですよね。
どんな状況で、誰と誰の会話、あるいは誰から誰に宛てた文書、といった前提が分からずいきなり会話を聞いたり文章を読んだりしても理解できません。

そこで状況判断や内容予測が必要となってくるのですが、TOEICの受講生は皆これをやっています。
リスニングの会話を聞きながら、「どんな場面の会話だろう?誰と誰が喋っているのだろう?」と誰もが当然考えると思います。

ただ、そこに時間を取られてしまうと情報処理が遅れてしまいます。
そこで、可能な限り前もって状況判断、内容予測をしておくことがポイントなのです。

パート1の場合、リスニングテストの説明、パート1の説明、例題で、合わせて95秒間音声が流れますが、これは毎回同じなので聞く必要はありません。
この間に写真を見て予測をしましょう。

6問なので、十分に全部の写真を眺めることができます。

人や動くものが写っていたら、何をしているのかが問われる可能性がありますし、情景描写の写真だったら、物の位置関係が問われるかも知れません。
95秒の間に色々想像しておくと、問題の音声が流れた時、「これだ!」と気づくことができます。

パート3とパート4では説明の音声は多少短くなりますが、その時間を使ってすばやく状況の先読みをすることは必須です。
図表、設問、選択肢に目を通し、想像力をフル活用してください。

リーディングセクションでは音声は流れませんが、文書を読み始める前に状況判断、内容予測が必要なことは同じです。

パート6とパート7では、指示文で、“Question 1-2 refer to the following e-mail.”などと言っていますので、ここで文書がe-mailであることが判断できます。
(e-mailの他、letter, notice, text message chain, memoなどなど、色々あります。)
e-mailの場合、差出人、宛先、タイトルを確認してある程度状況を予測してから読み始めましょう。

(2)柔軟な応答力

コミュニケーションは双方のやり取りですから、柔軟に応答できなければ成立しません。
TOEICにおいて特にこの力が試されるのはパート2です。

質問の音声を聞いてそれに対する適切な応答を選ぶ問題ですが、Yes/No 疑問文だから答えはYesかNo、とか、Whereで始まる疑問文だから答えは場所、と決めつけてしまうとアウトです。

日本語での自然なコミュニケーションを考えてみてください。
「この辺りでおいしい店知ってる?」と聞かれて、「はい」または「いいえ」だけで答える人はいませんよね。
「あまり外食しないから分からないな」とか、「一ついい所知ってるんだけど、ちょっと遠いんだよね」などが自然な応答です。

(1)とも重なるのですが、質問文の音声を聞いたら瞬時に状況と考えられる応答が予測できるとよいですね。
質問者が伝えたい情報、欲しい情報は何か、ということです。
普段から、英語の疑問文を見て、こんな答えもできる、あんな答えもできる、と遊び感覚で応答文を作ってみるとよいでしょう。

(3)情報のある場所を見つける力

「パート6とパート7、難しい!」、「問題多すぎて最後まで解けない!」など、「TOEICあるある」ではないでしょうか。
全部、読解しようとすると、時間が足りなくなってしまいます。

実際のビジネス場面を考えてみてください。
ワークショップのお知らせなら、何が、いつ、どこで、などの情報が分かれば十分です。

顧客からのe-mailなら、何の目的か、どんなアクションが求められているのかが重要な情報です。
挨拶の文章などはどうでもよいです。

重要な情報を読みとり不必要な部分に気を取られないようにしないと、仕事がはかどりません。
TOEICも同じです。

ではどのようにして情報のある場所を見つけるのでしょうか。

まず(1)でお伝えしたようにおおよその状況を予測した上で、全体を見渡します。
(複数文書の場合は、それぞれの文書の関係性にも目を向けます。)

第一段落の最初の文章や、太字、斜体、※の但し書きの部分などに重要な情報があることが多いです。
また数字に関する情報は見つけやすいですね。
ただ、設問で、本文と違う表現(同義語)を使っている場合が多いので注意です。
普段から、長文にざっと目を通して問題を解き、間違っていたら読み直す、という学習方法を取るとよいでしょう。

以上、大きく3つの方法について説明してきましたが、大切なことは、「英語のリスニング、読解」という意識を、「コミュニケーション」の意識に切り替えることです。
そしてコミュニケーションに必要な「情報」に目を向けて学習に取り組んでみてください。
きっと壁を乗り越えることができます。

頑張ってください!

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