ビジネス英語トリビア:ballpark estimate?last resortってどんな意味?

ビジネス英語トリビア

ふだん私たちが使っている単語でも、知られていない意味があります。
それは、ビジネスにおいては特に当てはまるようです。
こちらがふだんから使っている言葉であればあるほど、その特殊な意味を推測するのが難しく、相手と話がかみ合わない事態にもつながりかねません。
そこで、今回はそういった単語をご紹介します。

学校では習わない意味

では、まずみなさんに問題です。
以下の英語を日本語でなんと言うか考えてみてください。

(1) ballpark estimate
(2) last resort
(3) another room
(4) same page

ballpark estimate=おおまかな、概算の見積もり

ballparkとは「球場」のことで、estimateは「見積もり」です。
「球場」と「見積もり」とくれば、日本語でも似たような表現がありますよね?
「東京ドーム何個分」というのと同じ趣旨です。
つまり、どんぶり勘定を意味します。
プロジェクトの工数見積もりの場などで使えそうですね!

last resort=最後の手段

lastは「最後の」、resortは「楽園」です。
最後の楽園?仕事に関係あるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
はい、関係あるのです。ただし、社員旅行の話ではありません。

交渉で、議論が一通り終わり、結論に達する前の場面を思い浮かべてください。
今まで話し合ってきたいくつかの選択肢があります。
それらの選択肢の中から「最後の選択肢、最後の手段」と思われるものをlast resortと表します。

これは、楽園という言葉からも伝わるように、肯定的なニュアンスの語です。
つまり、「決まらないから、残っている選択肢のなかでは、これがいい」というような否定的な意味ではなく、「今、こういう選択肢があって、そのなかでこれがベスト」というような肯定的な場合に使用される言い方です。
”It should be last resort.”というように使います。

another room=もっとやれる

これは普通に訳すと「もう一つの部屋」になります。
他の意味でよく知られているものには「別腹」があります。
「デザートは別腹」というときは”I have another room for dessert.”という表現になります。

これが、ビジネスの場になると「余剰の(人的、物理的)資源がある」という意味になります。
例えば、仕事がたくさんあり、締め切りに間に合わせるのが難しそうな場面で“I can`t afford to make it.”のように言うと、答えに“You have another room.”というように返ってきます。
たいてい、ユーモアのセンスを込めて使われる場合が多いです。

same page=舞台の準備が整った

こちらは、一般的には「同じページ」という意味です。
さて、ビジネスにおいてはどのように使われるのでしょうか?
この表現は相手と自分が、議論の前提となる認識や知識においてすべて同じレベルになったときに“We are in the same page.”というように表現されます。

Let’s sayと That’s itの使い方のコツ

ここでは意味というよりも、使い方にコツがある二つの言い方をご説明します。
一つ目の“Let’s say”は直訳すると「言いましょう」ですが、ビジネスの場では議論をまとめ、結論を言うときによく用いられるフレーズです。

また、大学の先生などが講義を切り上げる際によく使うフレーズに”That’s it.”というのがあります。
日本人留学生は、先生を見習ってかプレゼンの最後に”That`s it.”という人が多く、働きだしてからも、そのまま使っていいと思う人もいるようです。

起業家であり、大学でビジネスの講義をしている教授によると、ビジネスのプレゼンで”That`s it.”というと非常にアンプロフェッショナルに聞こえるとのことです。
では、なんと言えばいいのでしょう?
その先生曰く、“That concludes my presentation.”と言うのがお勧めだそうです。

欧米でのビジネスにおける留意点

さて、ここからは欧米の文化についての説明になります。
日本人は謙遜を美徳とする文化ですが、欧米は自己アピールをする文化です。
たとえそれが、少しだけできることだとしても“I can do ~.”というように躊躇せずに堂々と言うのが一般的です。

あちらでは、自分のアピールをできない人は頭のよくない人だと評価され、「誰が“I can’t do~.”と言う人と一緒に仕事をしたいと思うか」という価値観の人が多く見られます。特に、こういった傾向はアメリカやカナダなどの北米で顕著です。

外国でビジネスをする場合は、こちらは一を十にして言うくらいで、逆に相手の言っていることは、もしかしたら1/10くらいが真実なのでは?と思って話を進めるとちょうどいいかもしれません。

ビジネスでこなれた雰囲気をだすコツ

今回、ご紹介したフレーズを使って、相手と交渉すると学校で習ったそのままの意味で普通の文を作り同じ意味のことを伝えるよりも、英語にこなれた人という印象を与えるようです。
学生とちがい、共通言語で意味が通じるだけよりも、ワンランク上の英語で表現する方が、大人なイメージで相手からの信頼や好印象を得やすくなるのではないでしょうか。

日本人は、腰を低くして謙遜する社会で育っているので、はじめは違和感があるかもしれませんが、外国の方とビジネスで接するときには、姿勢を正し自信を持って、少しおおげさなくらいにアピールしてみてください。

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